福井県勝山市に 平泉寺白山神社 という神社があります
717年泰澄大師によって越前側の白山信仰の拠点として開山されました
苔の美しい神社で有名です
名前にあるように室町時代は延暦寺の勢力下にあり 中宮平泉寺 といいました
院坊(僧侶の住居)６０００ 僧兵８０００の北陸地方随一の宗教都市でした
しかし1574年に一向一揆で全山消失してしまいます
その後 顕海僧正によって徐々に復興され 明治時代の神仏分離令により神社となります
詳しい歴史は 平泉寺白山神社さんのホームページ に記載がありますのでご参照いただければと思います
当時の巨大宗教都市の大部分は今も地中に埋もれていて現在も発掘作業は続いています
そんな平泉寺白山神社を訪れてみました
ホームページを拝見すると ‘撮影は自由ですが 参詣者の邪魔にならないように’ とありますので
人の少ない早朝にうかがいます
旧参道入口には看板があり 中世の時代が描かれた地図があります
なるほど たしかに巨大な宗教都市だということがわかります
境内を囲んで 院坊であろう建物がびっしりと描かれています
旧参道への入口は左右に巨大な杉並木が並んでいます
Google検索してみたら樹齢４００年とのことでした
朝なので 人の気配はありません
木立の中に入っていくと 凛とした空気が漂います
すごく静かです
しばらく行くと舗装した道の横に石畳が見えてきました
苔に覆われています 中世の石畳です
この石畳は九頭竜川の石です
室町時代に修行僧が運んで敷き詰めたといわれています
和歌山の熊野古道を歩いた時も迫力ありましたが、ここも負けていません
歴史は向こうのほうが古いですが 苔に覆われた分こちらの見た目もすごいものがあります
石畳の参道は数百メートル続きます
周りの苔は見事という他ありません
水分を含んだ苔から水蒸気が立ち上り 朝日に照らされています
なぜここはこんなに苔が多いのでしょう？
豊富な水分と 杉の大木が直射日光を遮るためのようですが…
ここまで美しく苔に覆われている場所はあまり記憶にありません
苔の中には石仏が並んでいます
やさしそうなお顔をされています
２０分ほど歩いてきたでしょうか
建物が見えてきました
平泉寺本堂と書いてあります
お寺では珍しいですが本堂の前にはかなり大きな狛犬もあります
狛犬も本堂もそんなに古いものではなさそうです
由来記を拝見すると かなり詳しく書いていただいています
ところどころ読めない箇所がありました
もう少し行くと白山神社と書いた参道があります入口には顕海寺というお寺があります
ここは一向一揆で全山消失した後 復興に尽力した顕海僧正が隠居したお寺だそうです
参道を登っていくと一の鳥居があり
その向こうには二の鳥居
その向こうに拝殿・本殿がありました
参道の左右は美しい苔で覆われています
雑草も生えて無く美しい苔の絨毯です
苔の保護のためロープの中は立入禁止です
入口の看板にありましたが 地元の有志の方々がボランティアで清掃活動をされているとの事
この景観が観れるのもその方たちのおかげかと思うと 感謝です
拝殿は江戸末期に建てられたものらしいですが、もともとの拝殿は 四十五間 あったというから驚かされます
礎石の跡で確認できるそうです
参道の途中に御手洗池という池がありました
ここがこの神社の発祥の地であるということです
泰澄大師がこの池の畔で祈っていると 女神が現れて白山登拝をうながし 大師が白山を開山したとのことです
池の前にはご神木があり “泰澄大師お手植え” と書かれています
湧き水がコポコポと流れる音が聴こえます
朝の人のいない時間帯で 神秘的とさえ感じます…
本殿のさらに奥に進むと “納経所跡” がありました
解説看板を読むと
平安の頃より六十六部といって 法華経 を写経しその一部ずつを日本の六十六ヵ所の神社に納めながら巡礼をすることがあり、越前での納経所はここだけだった とのことです
納経所前の左右の石垣をよく見てみると 壊れた石仏などが積まれていました
そんなに古いものではなさそうですが 徐々に苔に覆われてきています
さらに進むと最奥に 三之宮 がありその奥は 白山へ続く登山道になっているようです
御手洗池の女神にうながされた泰澄大師もその道を登拝されたようです
戻る途中に“発掘現場” という看板が出てきました
行ってみます
広い敷地で朝から発掘作業をされている方たちが何人かおられます
動物の足跡もたくさんあったのですが これだけ人がいれば大丈夫でしょうか？
注意の看板もあったので 念のためにスプレーだけ腰につけておきます
辺りは中世の石畳や院坊(住居)跡が発掘されています
復元された院坊の門もありました
発掘の内容などは 勝山市のホームページで詳しく解説されています
今回は11月に訪れましたが、次回は梅雨の頃に訪れたいと思います
苔がもっと美しいらしいです！
最後までお読みいただきありがとうございました
